30代後半から見直すスキンケア。肌の変化と向き合う方法

「あれ?今までの化粧品が合わなくなった?」美容ライターの木村恵理が、30代後半から感じる肌の変化とホルモンバランスの変化に合わせたスキンケアの見直し方をお伝えします。

30代後半から見直すスキンケア。肌の変化と向き合う方法

30代後半からのスキンケア

【ライター:木村恵理(元美容部員・美容ライター)】

鏡を見て、ふと気づいたんです。「あれ?この線、昨日まであったっけ?」

目尻に細い線が一本。慌てて近づいてよーく見ると、確かにある。笑いジワ...いや、これはもう立派なシワかもしれません。

38歳の誕生日を迎えた朝のことでした。

看護師として病院で働いていた頃、皮膚科の先生がよく言ってたんです。「肌は正直よ。体の中で起きてることが全部表に出てくるから」って。当時の私は「はいはい」って感じでしたが(すみません先生)、今になってその言葉がズシンと重い。

でもね、知ってますか?30代後半って、実は肌にとって大きなチャンスの時期でもあるんです。なぜなら、この時期にどんなケアをするかで、40代、50代の肌が決まるから。今日は、医療現場で学んだ知識と、自分の失敗と成功体験を交えながら、本当に効果のあるスキンケアについてお話ししますね。

私たちの肌で、今何が起きているのか

ちょっと専門的な話をしますが、難しい話じゃないので安心してくださいね。

35歳を過ぎると、肌の中でコラーゲンを作る工場が「あー、疲れた」って感じで生産量を落とし始めるんです。想像してみてください。肌を支えるコラーゲンの柱が、だんだん細くなっていく感じ。だから頬がたるんだり、ほうれい線が「こんにちは〜」って顔を出すんですね。

それに加えて、女性ホルモンのエストロゲンも減り始めます。エストロゲンって、肌の水分を保つ働きがあるので、これが減ると乾燥しやすくなる。朝起きて肌がカサカサしてるのは、寝ている間に水分が逃げちゃってるからなんです。

「じゃあ、もうダメじゃん!」って思いました?

違うんです!実は、30代後半の肌って、まだまだ回復力があるんです。適切なケアをすれば、ちゃんと応えてくれる。看護師時代に見た患者さんでも、50代から本気でケアを始めて、「あら、最近若く見えるって言われるの」って嬉しそうに話してくれる方がたくさんいました。

朝の洗顔で、その日の肌が決まる

恥ずかしい話、私、つい最近まで朝の洗顔を熱いお湯でバシャバシャやってました。気持ちいいし、シャキッと目も覚めるし。でも、これが大間違いだったんです。

ある日、皮膚科の友人に「あんた、それ肌の必要な油分まで全部洗い流してるわよ」って言われて(友人は関西弁)。半信半疑で、ぬるま湯洗顔に変えてみたら...あら不思議。お昼頃の「カピカピ感」がなくなったんです。

朝の洗顔のコツは「引き算」。夜にしっかりケアしているなら、朝は最小限でいい。私は今、ぬるま湯で20回すすぐだけ。洗顔料は週に2〜3回、肌がごわつく時だけ使っています。

そして大事なのが、洗顔後の「3分以内」。この時間内に化粧水をつけないと、肌の水分がどんどん蒸発しちゃうんです。だから私は、洗面台に化粧水を置いて、顔を拭いたらすぐにパシャパシャ。タオルも、ゴシゴシ拭かずにポンポンと押さえるだけ。

化粧水は「3回づけ」が私の新常識

化粧水って、一度にたくさんつけても浸透しないって知ってました?私も最近まで知らなくて、高い化粧水をドバドバ使って「なんで効果ないの?」って悩んでました。

でも、エステティシャンの友人に教えてもらった「3回づけ」を試したら、肌の調子が全然違う!

方法は簡単。まず1回目は500円玉大を手のひらに取って、顔全体に優しくなじませる。肌に吸い込まれたら、2回目。同じ量をまた重ねる。そして3回目は、乾燥が気になる部分だけに重点的に。

「面倒くさい」って思うでしょ?私も最初はそう思いました。でも、トータルで2分くらい。スマホ見る時間を2分減らせば作れる時間です。

この方法にしてから、午後のメイク崩れが減ったんです。ファンデーションのノリも全然違う。「最近、肌きれいになった?」って言われることも増えました。

美容液選びで失敗した私が学んだこと

美容液って高いですよね。私、今まで何本無駄にしたことか...。「シワに効く!」「シミが消える!」そんな謳い文句に踊らされて、次から次へと新しいものを試していました。

でも気づいたんです。全部に手を出すより、今の自分の一番の悩みに集中した方がいいって。

私の場合、一番気になるのは目尻のシワと、ほうれい線。だから今は、レチノール配合の美容液一本に絞っています。レチノールって、医学的にもシワへの効果が証明されている成分なんです。

最初は「ピリピリする」「赤くなる」って聞いて怖かったけど、週1回から始めて、徐々に回数を増やしていったら、肌が慣れてきました。3ヶ月続けた今、確実に目尻の線が薄くなってきています。

大事なのは「3ヶ月は続ける」こと。肌のターンオーバーを考えると、効果が見えるまでに最低でもそれくらいかかるんです。1ヶ月で「効果ない」って諦めちゃうのは、本当にもったいない。

夜のスキンケアは「儀式」だと思うことにした

正直言うと、疲れた日の夜のスキンケアって、本当に面倒ですよね。メイク落として、洗顔して、化粧水つけて、美容液つけて、クリーム塗って...。

でも、ある時思ったんです。これって「明日の私への投資」だって。

だから今は、夜のスキンケアを「儀式」として楽しむことにしています。好きな音楽をかけて、アロマキャンドルを灯して。クレンジングしながら、今日あった良いことを3つ思い出す。化粧水をつけながら、「今日もお疲れさま」って自分に言う。

特に気に入っているのが、週1回の「ご褒美パック」。金曜日の夜、1週間頑張った自分へのプレゼントとして、ちょっと高めのシートマスクを使います。15分間、ただボーッとする。この時間が、本当に幸せ。

皮膚科で教えてもらった「本当に大事なこと」

先月、定期検診で皮膚科に行った時、先生に言われた言葉が忘れられません。

「田中さん、一番の美容液は睡眠ですよ。どんなに高い化粧品を使っても、睡眠不足だったら意味がない」

確かに、寝不足の翌日って、肌がくすんでるし、化粧ノリも最悪。逆に、ぐっすり眠れた朝は、特別なケアをしなくても肌がツヤツヤしてる。

だから最近は、22時には寝る準備を始めるようにしています。スマホも21時半以降は見ない。最初は物足りなかったけど、朝の肌を見ると「昨日早く寝てよかった」って思えるように。

それと、水分補給。看護師時代から言われていたことですが、1日1.5リットルの水を飲むようにしています。コーヒーやお茶じゃなくて、水。これだけで、肌の乾燥がかなり改善しました。

エイジングケアは「楽しむ」もの

最後に、私が最近気づいた大切なことをシェアさせてください。

エイジングケアって、「老化と戦う」みたいなイメージがあるけど、違うんです。これは「自分を大切にする時間」なんだって。

シワが増えるのも、シミができるのも、それは私たちが今まで笑って、泣いて、太陽の下で過ごしてきた証拠。それを「なかったこと」にするんじゃなくて、「これからも美しく年を重ねていく」ためのケアだと思うんです。

30代後半は、肌にとって転換期。でも、怖がることはありません。適切なケアをすれば、肌はちゃんと応えてくれます。高い化粧品じゃなくても大丈夫。大切なのは、自分の肌と向き合って、続けること。

今日から始められる小さな変化。ぬるま湯洗顔、化粧水の3回づけ、早めの就寝。どれか一つでも試してみてください。

3ヶ月後、鏡を見るのが楽しくなっているはずです。私がそうだったように。

木村 恵理

40歳。美容部員歴15年、美容ライター。トレンドに敏感で実践的なアドバイスが得意。親友のような口調で美容の楽しさを伝える。